難しい話ですが・・湾岸地区における建築計画の問題
東京湾岸地区に限りませんが、住居の近接した土地に新しい建築物が建つとトラブルが発生します。簡単に言うと、新しい建築物によって、日照が遮られる、眺望が阻害されるという内容です。
建築事業主は、法律上、ルールに則り建築事業者は建築計画や建築をしていきますが、わだかまりが残ることがありえます。

一つの事例を紹介します。東京都議会 令和元年都市整備委員会 議事録より
整理番号3、陳情三一第八号、●●新築工事に関する陳情についてご説明いたします。本陳情は、●●管理組合理事長、●●さん外七百四十四人から提出されたものです。
陳情の要旨でございますが、●●に隣接する敷地、●●●に計画されております●●新築工事に関し、都において、次の事項について行政指導を行っていただきたいというものです。
1として、陳情者及び建築主の双方が納得するまで諸手続及び作業着手を停止すること、
2として、計画建築物の形状と配置の変更により、日照喪失を緩和すること、
3として、圧迫感軽減のため、離隔距離を百十メートル以上確保し、七階建てまでにすること、
4として、プライバシーの保護及び生活への配慮のため具体策を講ずること、また、屋上等にはメンテナンス時以外、出入りができないようにすること、
5として、景観に配慮し、屋上には機械を置かないこと、また、屋上の緑化を図ることという内容でございます。
(中略)
平成三十年十一月、建築主は、本件計画である●●新築工事について、●●に係る建築計画の早期周知に関する指導要綱に基づき、建築計画の標識を設置するとともに、近隣関係住民への説明会を実施いたしました。
本年一月十七日、●●管理組合は、都知事に対して、本陳情と同趣旨の陳情書を提出しております。
同月三十日、建築主は、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づく建築計画の標識を設置いたしました。
本年二月、陳情者は、都議会に対して本陳情書を提出するとともに、●●区議会に対しても陳情書を提出しております。
なお、区議会においては、三月の建設委員会で審議され、継続審査となっております。
また、同時に、同管理組合は、都知事に対して、同条例に基づく紛争調整申出書を提出いたしました。これを受けまして、都は本年四月末現在、二回のあっせんの場を設け、現在も当事者間で話し合いが行われております。
(後略)
こちらの事例を紹介してしまい、関係者には申し訳ないのですが、以下のような問題提起ができればと思います。
上記のような事象に関して、”一般的な”課題として
1.建築事業者が、地域住民へ説明をしていない。
2.日頃、地域住民と建築事業者とのリレーションができていない。
3.影響がある地域住民以外と思われる方々が、掲示板やブログなので当該地域住民の活動への非難や再開発をポジティブにとらえる記事が広まる。
1に関して。
建築事業者は、法的に非がない対応している前提で、地域住民とやり取りをしていると思います。ただ、地域住民への説明というのがポイントで、影響がある住民(当該住民とする)に説明をしていない、又は、当該住民以外の方々も含めた地域住民に説明をして、そちらと合意をとったこととしてしまっている。
2に関して、
上記の内容にもつながりますが、日頃、建築事業者とコミュニケーションをとっておかないと、説明を受けるタイミングが遅くなる。
繰り返しになりますが、上記は議会議事録のケースではありません。
3に関してで、
こちらは新しい問題だと思います。
意図的かどうかはおいておいて、マンション掲示板やブログで再開発に関する内容が記載され、当該住民が揶揄される事すらあります。また、掲示板などに記載されている内容がガセネタであることも多々あります。
さらに、内容がリークされると、既成事実化して、建築事業者に有利になるような動きになってきます。
ただ、冒頭にも書いたように、隣に位置する住民がわだかまりを残してしまうことになり、建築事業者も含めてアンハッピーな結果になるとも思います。
さて、湾岸地区を揶揄する記事や、かつての豊洲市場がらみの誹謗中傷記事もそうですが、該当地域と関係ない人は、その記事に乗っかって、結果的に湾岸地区をdisってくる読者が出てくると思います。・・Yahoo!ニュースのコメントとかね。
同様に、地域的にマクロの話に関しても、同様な構造があり、関連する記事を正しく内容を見ていく必要があると思います。
先日記事にしているように、急激に人口が増えてきている東京湾岸地区ですが、次のフェーズとして住みやすい街にしていくという観点が重要になってくるかと思います。