豊洲における市場移転経緯と、市場への失望 1



「正直どうでもいいんだよね。」と、先日ある豊洲の住民の方と市場の話題になった時の話。

去年からの市場報道を受け住民の方々から意見を聞きますが、ツイッター上でもアンケートをとってみました。

設問は、

1.とても腹立たしい

2.腹立たしい

3.少し気になる

4.ぜんぜん気にならない

565名の方に、投票いただきました。ありがとうございました。

とても腹立たしい、腹立たしいを含めて7割の方が不快な思いをしているようです。

 

また、実際に聞いている意見としては

  • 地方の友人から、豊洲に住んでいて大丈夫かと心配の連絡が来る。
  • 職場の雑談で、年末に築地市場に行く話をした際、豊洲の住民とわかっちゃうと市場の人が魚を売ってくれないんじゃないのかと馬鹿にされた。
  • 全国の人が集まる会合で、豊洲から来ましたというと「あの、豊洲からですか」と揶揄された。
  • 豊洲でビジネスをしている方が、キャンセルの影響を受けた。

豊洲住民の人は、多かれ少なかれ豊洲市場の報道のおかげで、要らぬネガティブな感情を抱いたと思います。

また、江東区長への手紙では以下のような意見が投稿されております。

①豊洲のことを土壌汚染専門会議の場で「便所」と発言される仲卸の方がいましたが、江東区として発言の撤回及び謝罪を求めないのか。
→同じ町内で暮らしている人間もいます。子供も学校でいじめにあいます。人として大人として発言内容には配慮いただきたい。
②豊洲市場の受け入れを中止していただきたい。
→仮に移転してきたとしても、何かある度に、共産党主導の反対運動をされては心身ともにもちません。親戚一同に既に誤解されうつ状態になっています。これなら市場などないほうがましです。
③江東区長は正式に風評被害にあっている区民が居ることをメディアを通じ都知事へ厳重に抗議してください。
→オリンピックしかり市場しかり完全に都民ファーストから豊洲は除外されています。

以上、我慢も限界に来ています。どうか先頭にたって豊洲民を助けてください。

①のいじめに関しては、特に忌々しき話で、豊洲に住む子どもたちは塾や私立学校などで他地区の子どもと接することも多いので、影響が気になります。

その様な状況も加味してか、江東区議会では年明けに以下の意見書を全会一致で可決させています。

このたび、豊洲市場において、建物下に土壌汚染対策のための盛り土がなされていなかったことに続き、地下水モニタリング調査では、国の環境基準値を大幅に超える有害物質が検出されたことが明らかになった。このことについては、本区議会としても、その徹底的な調査及び対策を東京都に求めているところである。
一方、この間、東京都が発信する豊洲市場の土壌汚染に関する情報は、場所を限定することなく豊洲という地名を用いているため、あたかも豊洲地域全体が汚染されているかのような印象を与え、当該地域全体の風評被害につながっている。
しかし、有害物質が検出された地域は、ガス工場の操業跡地に建設された豊洲市場のみであり、影響地域は極めて限定的なものである。
よって、本区議会は、東京都に対し、土壌汚染に関する情報を発信する際には、豊洲市場の建設地がガス工場の操業跡地であることを明示する等、豊洲地域の風評被害の拡大防止及び払拭のための対応を行うよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

東京都がベンゼンが基準の70倍を超えるとモニタリング結果を発表したこと、そして、豊洲地区の風評被害を助長していることがあげらています。

なお、前者に関してはモニタリング結果が、今までの方法と異なり問題があるのではないかという報道がなされています。

 

さて、そもそも豊洲に市場が決まった際に、地元としてはどのようなスタンスであったかというのを見てみましょう。

 

まず、平成15年_第1回定例会の議事録(当時の柿沢未途都議の質問)を見てみたいと思います

昨年九月、築地市場の豊洲移転を前提とした豊洲・晴海開発整備計画の再改定案が発表されました。これまでの計画では、居住機能に重点を置いたまちづくりになっていましたけれども、対象地域のうち豊洲地区の面積の実に四割を市場が占めることになったことから、今度の再改定案では、業務・商業、居住、市場などがバランスよく配置された複合市街地の形成ということを掲げています。その結果として、居住人口は当初の予定の三万一千人から一万三千人へと激減しています。

この市場の移転計画に対して、地元となる豊洲地区の住民の間には不安と戸惑いが広がっています。新市場の予定地である、いわゆる豊洲半島は、水辺から、レインボーブリッジを初めベイエリアの町並みが一望できるすばらしい景観を持っている場所です。平成十七年には半島を横断する形で「ゆりかもめ」が延伸し、交通の便も飛躍的によくなります。まさに都心居住のモデルである場所となるべきであったのに、そこになぜ市場が移転をしてくるのか、そんな声が聞かれます

また、市場に流入してくるトラックによる影響も心配されています。築地市場には一日一万五千台もの車両が出入りをしています。築地市場の前に、日中のみならず深夜、早朝まで折り重なるトラックの列を見れば、地元の人が心配をするのも当然だと思います。とまっているトラックのほとんどは、エンジンをかけっ放しにしていて、アイドリング中の排ガスがもたらす環境への影響も大きなものがあります。

しかし、それにも増して問題なのは、一体市場がいつ移転をしてくるのか、どんな計画なのか、地元の人にはほとんど何も知らされていないことです。周辺の町会長さんなんかに話を聞いても、ほとんど何も知らない。もともとあった開発計画をチャラにして、これだけ周辺に大きな影響を与える施設を移転させようという割には、都は地元に対する説明責任を十分果たしていないのではないでしょうか。

(後略)

今から14年前の当時は、地元には市場計画が知らされておらず不安と戸惑いがあった。また、景観を生かした、市場ではない計画に期待があったのを無くされてしまって残念だという感覚だったのでしょうか。

 

次に、平成25年年初の山﨑江東区長からの庁内放送を見てみましょう。

最初に、築地市場の豊洲移転整備についてですが、平成二十三年七月に、東京都からの協議を受ける形で、四つの課題対応を求め、市場の受け入れを了承したところであります。

一つ目は、「東京都による土壌汚染対策の確実な実施」、二つ目に、地下鉄八号線の延伸やバス路線の新設による公共交通機関の充実等「交通対策の実施」、三つ目に、多くの区民や都民、観光客が訪れる「にぎわいの場」の一体的な整備、最後に四つ目として豊洲グリーン・エコアイランド構想を踏まえた「環境まちづくりへの配慮」であります。

これらの区の要望に応える形で、昨年の十一月に東京都から豊洲新市場の施設計画の概要と千客万来施設の基本方針案が発表されましたが、土壌汚染対策工事の完了後、工事に着工する予定でおります。

豊洲新市場の整備は、今後の本区の発展にとって特に重要な課題であり、全力を挙げて取り組んでいく必要があると考えております。

次に、中央防波堤埋立地の帰属については、本区におけるごみ問題の歴史的経緯を踏まえれば、本区に帰属することは当然のことであります。昨年からテレビや雑誌などのメディアで取り上げられはじめ、都民の問題意識を高めてくれましたが、これを良い機会ととらえ、区民と区議会、そして行政が一体となり、毅然とした強い姿勢で、取り組んでまいります。

今から6年前に、東京都による土壌対策、交通機関の充実、賑わい施設の整備などを条件に東京都からの要請に受入を了承したとのことです。

 

さて、話はそれますが、江東区は夢の島を抱えています。

「ゴミ戦争」というのをご存知でしょうか?

かつて東京都のごみを夢の島にて一手に処理しており、ハエの発生などで苦しめられてきました。

そこで、各区でゴミ処理工場を持つというルールを決めたのですが、杉並区が清掃工場の建設に前向きでなかった。

そこで、業を煮やした江東区は、杉並のごみの受入を拒否するという事件があり、それらの事象を当時の美濃部知事が「ゴミ戦争」と命名しました。

 

私はよそ者で豊洲に住んで10年ですが、江東区の方々は下町ということもあり「お互い様」という精神が根付いていると思います。経済活動を実施する上で、犠牲にするところが発生するものですが、ごみの件も都全体の見地で甘受してきたと思います。しかし、当時の杉並のように自分のことしか考えない方々もいるわけで、その対応って難しいかったのでしょう。

世の中には一般的な常識では考えられない方々もいるんですよね。それが組織化していると、対応がかなり難しくなると思われます。

 

さて、市場の話の戻しますと、都全体の見地で甘受した市場ですが、それが起因で、地元で風評被害が発生し被害を被り始めているのが現在です。

私もそうですが、業を煮やした人が多くなってきたように思います。

昨年までは、比較的歓迎ムードであった湾岸クラスターの方々が、明確に市場移転に対して反対を表明し始めてきてます。

 

さて、今後です。

市場が来るか来ないかわかりませんが、今後も一般常識では考えられないことが動いていくのでしょう。

住むうえで市場問題以外に関してとても満足している豊洲ですが、変なことにならないよう願っていきたいと思います。



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