湾岸地区、今後の都市計画を発表:五輪・市場開場への計画と英語村ができる??

東京都は、12月26日に、「東京都長期ビジョン」を発表しました。
「世界一の都市・東京」の実現を目指し、「東京都長期ビジョン」を策定したとのことです。

東京の街づくり、そして、オリンピックが開催される臨海部がどのようになっていくかを計画する内容にもなっていますので、見ていきたいと思います。

まず、構成として2つの目標が掲げられています。

◆基本目標Ⅰ 史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現
◆基本目標Ⅱ 課題を解決し、将来にわたる東京の持続的発展の実現

それぞれに対して、8つの都市戦略(基本目標Ⅰは、1~3、基本目標Ⅱは、4~8)が定義されています

<基本目標Ⅰ>
■都市戦略1 成熟都市・東京の強みを生かした大会の成功
政策指針1 2020 年大会の成功に向けた万全な開催準備とレガシーの継承
政策指針2 美しく風格があり、誰もが安心して過ごせるバリアフリー環境の構築
政策指針3 多言語対応の推進により、全ての外国人が快適かつ安心して滞在できる都市の実現
政策指針4 世界に存在感を示すトップアスリートの育成とスポーツ都市東京の実現

■都市戦略2 高度に発達した利用者本位の都市インフラを備えた都市の実現
政策指針5 陸・海・空の広域的な交通・物流ネットワークの形成
政策指針6 誰もが円滑かつ快適に利用できる総合的な交通体系の構築

■都市戦略3 日本人のこころと東京の魅力の発信
政策指針7 「おもてなしの心」で世界中から訪れる人々を歓迎する都市の実現
政策指針8 芸術文化都市を創造し、日本文化の魅力を世界に発信

<基本目標Ⅱ>

■都市戦略4 安全・安心な都市の実現
政策指針9 災害への備えにより被害を最小化する高度な防災都市の実現
政策指針 10 日常に潜む危険や犯罪から都民生活を守る、安全・安心の確保
■都市戦略5 福祉先進都市の実現
政策指針 11 安心して産み育てられ、子供たちが健やかに成長できるまちの実現
政策指針 12 高齢者が地域で安心して暮らせる社会の実現
政策指針 13 質の高い医療が受けられ、生涯にわたり健康に暮らせる環境の実現
政策指針 14 障害者が地域で安心して暮らせる社会の構築

■都市戦略6 世界をリードするグローバル都市の実現
政策指針 15 日本の成長を支える国際経済都市の創造
政策指針 16 都心等の機能強化による東京の都市力の更なる向上
政策指針 17 若者や女性、高齢者など全て人が活躍できる社会の実現
政策指針 18 東京、そして日本を支える人材の育成
政策指針 19 2020 年大会の成功と東京の発展に寄与する都市外交の推進

■都市戦略7 豊かな環境や充実したインフラを次世代に引き継ぐ都市の実現
政策指針 20 スマートエネルギー都市の創造
政策指針 21 水と緑に囲まれ、環境と調和した都市の実現
政策指針 22 都市インフラの安全性を高め、安心できる社会の確立
政策指針 23 少子高齢・人口減少社会におけるこれからの都市構造

■都市戦略8 多摩・島しょの振興
政策指針 24・25 成熟したまちづくりと豊かな自然を生かした地域の活性化

だいぶボリュームがありますので、東京湾岸地区に関連する興味深いものをピックアップしてみたいと思います。

1.都市戦略1 成熟都市・東京の強みを生かした大会の成功

☆選手村
まず、だいぶ話題になってしまいました晴海の選手村とその周辺に関することが書かれています。

・政策目標
選手村の整備:2020年 (整備完了)
選手村の後利用:2021年度以降(住宅として入居)
選手村エリアの臨港消防署の整備、機能強化:2019年(完了)

選手村については、大会後、多様な人々が交流し快適に暮らせる、住宅・商業・スポーツ等のユニバーサルな複合市街地を形成することを見据え、都と民間事業者の役割分担の下、設計段階から官民の連携を図り、整備を推進する

とあります。

☆オリンピック施設

・ビックサイトの拡張:2019年(竣工)
・有明アリーナ、海の森水上競技場:2019年(完了)
・有明テニスの森:2019年(改修工事完了)

晴海の選手村、有明のアリーナやテニスの森、そしてビッグサイトが2019,20年を目途に建築ラッシュになるでしょう。

2.都市戦略2 高度に発達した利用者本位の都市インフラを備えた都市の実現

次に、都市交通インフラに関することが書かれています。

☆オリンピック・パラリンピック関連道路の整備
1.環状2号線:2020年度 (開通)
2.首都高速晴海線(豊洲~晴海):2017年度(開通)
3.臨港道路南北線:2019年度:(開通)

 

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☆大型クルーズ客船埠頭:2019年度(完了)

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☆鉄道関連
・勝どき駅改良:2018年度(完了)
・都心と臨海副都心の連絡強化(BRT)2019年度(早期導入)

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☆自転車

江東区でも実施されているシェアサイクルを、区界を越えた相互利用の導入を以後検討することも書かれています。

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3.都市戦略6 世界をリードするグローバル都市の実現

ちょっと飛んで、オリンピックの先を見据えた東京の持続的発展の実現を目標にした戦略になります。

☆ 都心等の機能強化による東京の都市力のさらなる向上

おおむね10年後の将来像として、

・市街地の再開発により、都心等の公共施設やまちの機能が一体的に再編・ 整備され、多様な都市機能が高密度に集積している。
・都心等の拠点駅の機能を高める取組を周辺まちづくりと一体で行うこと で、多くの人々が快適に訪れることができるまちが創出されている。
・臨海部においてビジネスやMICE*・観光などの機能の集積が図られ、日 本の成長を牽引する国際的な戦略拠点として発展している。

と、されており、具体的な政策目標には、晴海地区の都市再生の推進、臨海地区と豊洲地区にて、臨海部の整備推進が掲げられています。

そして、臨海部の政策展開として

1.臨海副都心における魅力あるまちづくりの推進

・臨海副都心をビジネスやMICE・国際観光の拠点に発展させていくため、 2020 年大会後も視野に入れた将来ビジョンを策定する。
・臨海副都心地区に大型クルーズ客船に対応可能な新たな客船ふ頭を完成させ、 2020 年大会開催に向けて臨海副都心の魅力を向上させる。
・ 国道 357 号東京港トンネルの整備促進や、環状2号線や臨港道路南北線の開 通など、臨海部における道路ネットワークの整備を推進する。
・ 臨港道路等において自転車走行空間を整備するとともに、自転車推奨ルート やシェアサイクルと連携し、自転車利用者の利便性と快適性を高める。
・臨海副都心や豊洲新市場へのアクセスを充実するため、都心と臨海副都心を 結ぶBRTを導入する。

2.豊洲地区における新たなにぎわいの拠点の形成

・ 首都圏の食を支える基幹市場として、高度な品質・衛生管理等を行う施設や効率的な物流システム を備え、多様化する消費者のニー ズや環境負荷軽減にも対応した豊 洲新市場を開場する。
・市場施設の開場と併せて「千客万来施設」を整備し、築地にみられるにぎわいを継承・発展させるに、食の魅力を発信することで観光客を惹きつけ、豊洲ならではの活気やにぎわいを創出する。
・水辺のウォーキングや水陸両用車での遊覧等を楽しめるレクリエーションエリアとして豊洲の水際緑地帯等を整備するとともに、新たな船着場の設置により、水辺の各拠点とを結ぶ水上交通ネットワークを充実させる。

また、都市の将来像として、大手町や丸の内の地域の将来像が描かれていましたが、臨海部として、臨海副都心、豊洲、晴海に関して掲載があります。

・臨海副都心:職・住・学・遊のバランスのとれた複合的なまちづくりにより、東京や東京圏に求められる新たな機能を備えた先導的な拠点を形成
―交通インフラの充実などにより、MICE・国際観光拠点を形成

・豊洲:豊洲新市場の整備により先進的な市場流通を実現するとともに、緑地帯の整備等により魅力ある水際の都市空間を創出
―観光やレクリエーション等によりにぎわいを創出し、隣接する臨海副都心地区との相乗効果を発揮するまちづくりを推進

・晴海:国際的なビジネス拠点を支える都市型居住ゾーンを形成
―民間事業者のノウハウを引き出し、選手村のレガシーをはじめとして、 住宅及び人々の交流機能を併せ持ったまちの形成を推進

纏めると、

豊洲は、市場を中心として水際の観光リクリエーション都市
臨海副都心は、MICE・国際観光拠点を含んだ複合的な先導的な拠点
晴海は、都市型居住ゾーン
というのが街の色となり、インフラの整備を進めていくという感じでしょうか。

◆水陸両用車など

3か年の実施計画には、より細かな計画が書かれており言及すべきは、以下になります。
・東京港トンネル海側開通(台場→八潮)が2015年度
・防災船着場:豊洲地区に1か所整備(2017年度)
・航路の充実:羽田⇔都心・臨海部(2017年度)
・臨海部のにぎわい拠点の形成
― 新たな船着場
― 水陸両用スロープ(豊洲・台場):2017年度以降(供用)
― 水際緑地帯の整備(豊洲):2016年度(供用)

豊洲に、水陸両用スロープが2017年度にできそうですね。

☆東京、そして日本を支える人材育成
今までは交通などのインフラが中心でしたが教育に関する内容も掲載されています。
東京、そして日本を支える人材の育成という指針です。

おおよそ10年後の将来像として、

・海外で通用する高い語学力と豊かな国際感覚を有し、日本人としての誇り を持って世界を舞台に活躍する人材が育成されている。
・児童・生徒の学習意欲を高めるとともに学びの基礎・基本を徹底すること により、確かな学力の習得・向上が図られている。
・児童・生徒の一人ひとりの基礎体力・運動能力が向上している。
・豊かな心を育成するための道徳教育が展開されており、人を思いやる気持や規範意識を身に付けた子供たちが育っている。
・成長段階に応じた系統的なキャリア教育の展開により、自らの力で未来を 切り拓く自立した人材を輩出している。

この中に、先日ニュースになった英語村を2018年度に向けて開設する旨が書かれています。

また、英語村に関しては、

東京にいながら海外生活や異文化が体験で きる「英語村(仮称)」を開設し、児童・生徒 等がオールイングリッシュによる外国人との 体験プログラムを通じて、オリンピック・パ ラリンピック開催も視野に入れ、ネイティブ の生きた英語と異文化を学んでいく。

とのことです。

また、この英語村に関して読売新聞では、以下のような記事がなされています

2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、小中高生に生きた英語を学んでもらおうと、東京都は25日、競技施設や選手村が集中する臨海部に英語だけでやりとりする体験施設「英語村」を設置すると発表した。
自治体が主体的に開設する英語村は初めてで、17年度にも一部開設を目指す。
都によると、英語村には、レストランなどを設け、買い物や飲食、映画、スポーツなどを楽しむことができる。店員は、国際協力機構(JICA)の職員や国の国際交流事業(JETプログラム)で来日している人らすべて外国人で構成。実社会を模した生活体験をしながら、実践的な英語が習得できる施設をめざす。

小中高生を対象とするが、五輪後は一般人にも広げる。設置場所は選手村に近い臨海部の既存ビルを想定している。五輪後は、国内にいながら英語村で「留学体験」ができるように、選手村の一部を専用の宿泊施設にすることも検討するという。

どこにできるか楽しみですね。

4.都市戦略7 豊かな環境や充実したインフラを次世代に引き継ぐ都市の実現

☆スマートエネルギー都市の創造
水素社会の実現に向けた、水素活用の燃料電池車や水素ステーションに関することが書かれています。
具体的には、水素電池車の普及台数、水素ステーションの整備個数などのKPIが掲げられています。

また、こちらに関しては25日の知事記者会見にて、以下のような発言がありました。

【記者】時事通信です。宜しくお願いします。水素社会についてお伺いします。先日、選手村の計画を発表されましたが、選手村跡地に6000個の住宅地をつくるということなんですけれども、ここの住宅地には家庭用燃料電池というのは配備される予定なんでしょうか。

【知事】選手村の後が街になりますね。住宅ができて。そこは率先した水素社会の実証的な街にしたいと思っています。どういう形で要望できるかですけど、例えば、そこは都バスは水素、つまり、燃料電池車しか走らないし、極端に言えば、ガソリン車は入れない。だから、値段もその頃までに大分安くなっているでしょうから、そこに住まれる方は水素自動車しか乗ってはいけませんというようなことも可能かもしれない。だけど、いずれにしても、これからの検討ですけれども、水素社会の実証的な街はどこですかといったら、有明とか豊洲になるようにしたいと思っています。

近い将来、有明や豊洲は、水素電池の自動車が多く走る街になるのでしょうかね。

 

さて、全体的に新たなトピックでとしては、英語村が興味深いですかね。

その他、オリンピック、豊洲新市場の開場を契機に着々と豊洲や臨海副都心が整備されていくことが分かりました。

豊洲における水陸両用スロープに関しても、スケジュールが提示されまして供用が楽しみです。

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