江東区湾岸地区における地震リスク(豊洲・東雲・有明) 3



こんばんは。13日夜の東北北海道地区の地震による津波、及び、千葉県東方沖地震はびっくりしましたね。

そこで、改めて江東区湾岸地区の地震リスクを個人的に纏めてみたいと思います。

■江東区湾岸地区における地震リスク(首都圏直下型地震)

地震は起こるものと考え、それに対して生命の危機に対するリスクを回避する必要があると考えます。そこで、最近報道されている首都圏直下地震に関する想定を内閣府がまとめており見てみたいと思います。

まず、被害が大きいと想定されている東京湾北部地震において、震度などが想定されています。最近見直しがされていますが、この時点では、江東区において震度6強の想定です。

建物と人的被害ですが、冬夕方18時 風速15m/sにおいて、想定死者数1.1万人に対して、凡そ半数が火災によるもの、残りの3割が建物倒壊によるもののようです。

また、被害エリアに関してですが、まずは、死者数の割合が大きい火災に関してですが、よく言われるように、木造密集市街地(環6、環7沿い)の焼失が顕著で江東区とりわけ湾岸地区は、被害が少ないようです。

揺れによる倒壊(全壊)ですが、23区内全般に被害があり、特に火災とは対称的に東部に被害が多いようです。

また、液状化による倒壊は、以下のようになります。東京湾岸及び、荒川沿い対象になるようです。ただ、昨年の震災において液状化の被害のあった浦安においては、全壊被害はありません。当該の地域においては、木造の戸建てが少ないからだと思われます。

纏めると、江東区においては、火災による被害はないものの倒壊による被害は想定したほうが良いようです。

なお、上記被害想定は、東京湾北部地震(M7.3)になりますが、その他17のタイプの震源想定もなされています。

■江東区湾岸地区における地震リスク詳細 (首都圏直下型地震)

上記は、内閣府のデータですが東京都においては、丁目ごとの地震に対する地位評価を実施しています。

・地域危険度測定調査
東京都は、各地域における地震に対する危険性を建物、火災、避難の面から1から5までのランクで相対的に評価し、地域の地震に対する危険度を評価しています。※詳しくは、東京都都市整備局サイトをご覧ください。

なお、評価軸は以下の3つがあります。

○建物倒壊危険度
建物倒壊危険度は、地震動によって建物が壊れたり傾いたりする危険性の度合いを評価したものです。

○火災危険度
火災危険度は、地震による出火の起こりやすさと、それによる延焼の危険性を測定して、火災の危険性の度合いを評価したものです

○避難危険度
避難危険度は、避難場所までの距離が長く、避難道路沿いに避難の障害となる要因が存在し、避難する人の数が多いほど高くなります。

・ 豊洲、東雲、有明地区の評価

それぞれの危険度において、豊洲、東雲、有明で、AAAになっています。
つまり、建物倒壊危険度、火災危険度、避難危険度において、それぞれ
相対的に危険度の低い地域になります。(参照:第5回地域危険度測定調査結果

特に、内閣府の資料にて丁目ごとのリスクを確認することができませんでしたが、建物倒壊危険度に関しても同地区における危険度は少ないようです。

■江東区湾岸地区における地震リスク(津波)

・首都圏直下地震において

さて、昨年の災害で被害要因だった津波ですが、首都圏直下型地震においては、50cmの試算であるようです。アット東京のホームページによると以下のように記載がありました。

 中央防災会議「首都直下地震対策専門委員会」が2004年11月17日に発表した内容によると、東京湾内で最高の津波の高さとなるのは、東京湾内直下型の地震で、その津波の高さは50cm未満と想定しています。

大きな津波を発生させるプレート型地震である東海・東南海地震が発生しても、伊豆半島等の地形上の理由から東京湾岸では津波の大きな影響を受けないと考えられています。

 

・津波のリスク

☆関東大震災再来時の津波(相模沖)

では、50cmの想定で良いかと言うと違うようです。実際、東日本大震災の際には、晴海で1.3mでした。(参照:中央区のHP

また、首都圏直下地震以外の想定として、関東大震災の再来をシミュレーションしているようで、その際には川河口付近で最大1.2m(満潮での水位A.P+3.2m程度)とされています。なお、中央区のホームページによると

港湾では、区内の防潮堤の計画天端高(最高の高さ)は、A.P+5.6m~A.P+6.3mであり、晴海で観測された津波の最大水位以上となっております。
また、隅田川の護岸の計画天端高はA.P+6.3mであり、堤防の耐震対策として、テラスが整備されるとともに耐震性をより一層向上させるためスーパー堤防の整備も進んでおります。
さらに、非常時においても水門や陸こうの閉鎖など迅速に対応する体制を整えております。

とのことです。

☆東海地震の津波

また、こちらのページには、東海地震における津波のシミュレーションがなされていて、こちらも最大水位2m以下の想定になっています。

特出すべきは、時刻ごとの水位シミュレーションがなされており、地震発生2時間20分ころに水が引き、2時間50分ころに水位が上がってくる試算のようです。相模湾沖の場合はより早く変化が起こると思われます。

☆南海トラフの巨大地震モデルの津波  

今月頭、新聞の一面になったりなど話題になっていますが、南海トラフの巨大地震であ る東海・東南海・南海地震においても分析がされており、津波の予想も成されています。

 

最大では、高知県の黒潮町にて、34.4mの津波予想があったり、関東では新島で29.7m、諸島以外では、鎌倉市にて9.2mの予想が成されております。また、都内近隣では、中央、港、江東区が最大2.3m、品川区2.2m、江戸川、大田区2.1mの予測です。

先の東日本大震災の際、晴海にて1.5mの津波が生じたので、その80cm超の予測になります。

詳しくは、南海トラフの巨大地震モデル検討会のホームページをご覧下さい。

■地震における想定外の想定

去年の東日本大震災をきっかけに、地震における(今までの)想定外を想定した対策が叫ばれているのかと思います。

特に最近言われているのが、NHKでも放送された”側方流動”で、液状化の為、斜面地や護岸の地盤が液状化によって低い方向へ、あるいは海側へ地盤がずれる現象です。その対策として、護岸工事で対応が可能のようで、NHKの番組では芝浦工業大学裏の護岸の工事場面が放送されていました。

ちなみに、豊洲1丁目の日本ユニシス裏の護岸も工事がなされています。

 

■最悪の想定

最後に、実際に被害が起きてしまった際の想定をしてみたいと思います。
江東区湾岸地区でリスクとして考えられる、火災、津波の場合を考えてみたいと思います。

・火災

比較的新しい高層ビル高層マンションが占める当地域において、スプリンクラーの設置等の対策がなされていますが、起きた場合注意することとして、避難階段か、バルコニーにある避難ハッチりようして移動することです。エレベーターで移動すると、閉じ込められる可能性があります。

・津波

津波に関しては、江東区が積極的に対策をしています。具体的には、区内の企業と津波などの被害が起きた時の避難場所の提供を企業と結んでおり、湾岸地区においてはIHI社が避難場所として区と提携をしております。以下、江東区のHPからの抜粋です。

東京湾はその形状から大きな津波が起こりにくく、歴史的にも東京に津波による大きな被害はありません。また、高潮対策として防潮堤等が東京湾及び河川流域に整備されているため、江東区内に大きな津波が押し寄せる心配はありません。

しかし、津波に対する区民の不安が大きいことから、区内企業を一時避難施設とする協定を締結することで区民に安心を提供します。また、200年に1回の大雨により荒川が氾濫した場合などを想定した津波以外の水害にも対応しています。

平成23年9月7日には、協定締結第1号となる企業4社と合同の協定締結式を執り行いました。今後も、区は同協定に賛同いただける企業や団体を広く求めていきます。

また、江東区湾岸地区のほとんどの建物が高層ですので、マンションや商業施設を中心に避難することができると思います。

基本は建物の上部への避難になると思いますが、最悪の事態を想定して、当該の地区の標高を調べてみました。

なお、調査にあたって iphone アプリの”Topo Profiler – 高低図表示ツール”を利用しました。
http://itunes.apple.com/jp/app/topo-profiler-gao-di-tu-biao/id478596308?mt=8

これを利用することにより、各地点の標高を表す断面図を見ることができます。早速見てみましょう。

・東京駅~豊洲

こちらは、東京駅から豊洲駅までの直線を断面にしたものです。
グラフの左部が東京駅(八重洲) 、真中が月島、右部が豊洲を表しており、それぞれ標高が、3-5M,2-3M、2-4Mを指しています。対岸の月島駅近辺と比べると豊洲北部が1Mほど高くなっています。

・晴海通り(日比谷~東雲)

こちらは、日比谷公園前から晴海大橋を経由して有明小学校までの晴海通りを断面にしたものです。こちらを見ると、豊洲埠頭(アット東京付近)が8M弱と対岸の晴海の3-4Mと比して、とても高くなっていることが分かります。

・東京インナーハーバー

豊洲埠頭、豊洲2丁目、晴海の総称を東京インナーハーバーというようなのですが、形状的にも湾奥になるため調べてみました。

上から、晴海、豊洲2丁目、晴海埠頭の断面図となっております。
それぞれ、3M,5-7M、3-5Mとなっており、思いの外、晴海が低い立地になっております。運河が晴海側に曲がっているからなのでしょうか?

 

・豊洲(春海橋)~東雲駅

こちらは、春海橋から東雲駅まで晴海通りを断面にしたものです。こちらを見ると、春海橋付近が3-4Mとなっており、南下するごとに低くなり東雲に入ったところで0-1Mになっています。ところが、東雲1丁目付近で急に3-4Mほどになっています。車に乗ってても分かるくらいの高低差です。

・東雲1丁目~有明スポーツセンター前

こちらは、東雲1丁目から有明スポーツセンター前までを断面にしたものです。グラフの左部が東雲で、右部分が有明スポーツセンター前になっています。一部、お台場も含まれています。
こちらを見ると、全般的に3-4Mとなっております。

・豊洲埠頭(朝なぎ橋~有明テニスの森前)

こちらは、朝凪橋から豊洲駅前を通り、有明テニスの森前までを断面にしたものです。グラフの左部が朝なぎ橋で、右部分が有明テニスの森前になっています。やはり特出すべきは、市場予定地である豊洲埠頭の標高が6-8Mと高くなっております。

・豊洲1丁目(豊洲橋~IHI前)

こちらは、豊洲橋から晴海通りとの交差点(IHI前)を断面にしたものです。グラフの左部が東で、右部が西になります。

・豊洲2-3丁目(北)

こちらは、芝浦工業大学からアニヴェルセル付近を断面にしたものです。グラフの左部が東で、右部が西になります。

 

・豊洲2-3丁目(南)

こちらは、豊洲北小から、ららぽーと豊洲入り口を断面にしたものです。グラフの左部が東で、右部が西になります。

・豊洲4-5丁目

こちらは、プライヴブルーから、豊洲西小学校(予定)を断面にしたものです。グラフの左部が東で、右が西になります。

イザという時のため、これらの情報を頭にインプットしておくと良いかもしれません。

■まとめ

部分的な建物のダメージはあるかもしれませんが、江東区湾岸地区においては、大震災において命を落とすリスクは少ないのではないかと思っております。ただ、備えあれば憂いなしなので、それらのリスクの対策と震災後に生き延びる対策(水、食料、トイレなど)はしておくべきかと思います。



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